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市場移転問題、いったい誰が悪いのか!?初心者にわかりやすく簡単な言葉で分析 ~パート2~

前回からの続き・・・・・・・・・・・

 

今の市場移転問題の着地点としては、「豊洲に移転はするが、築地も生かす」というとこに落ち着きました。

具体的には、市場を豊洲に移転したうえで、築地を再開発して市場機能を確保しながら、食をテーマとした一大拠点とするというものでした。

 

この結論に関する問題点をいくつ上げていきたいと思います。

 

①すでに昨年3月に、築地から豊洲への移転は、東京都の条例で正式に決定されていました。東京都議会で議決された「東京都中央卸売市場条例の一部を改正する条例」には、築地市場を廃止し、新たに豊洲市場を開設すると明確に規定しています。それにもかかわらず、その結論を覆しました。再度検討することは、都民にとっては悪いことではありませんが、議会を変えようとしている都民ファーストの会の提案内容だからこそ、議会でのプロセスをきちんと踏んでほしかったと思います。

 

②築地跡地には2020年東京五輪パラリンピックの選手村と都心部を結ぶ環状2号線を通す計画があります。

オリンピック選手村と都心部を繋ぐ道路

ですが、以下のような位置関係になっております。

 

■位置図
日経コンストラクションが作成。

 

環状2号線の西半分は外堀通りとして以前から使われています。この南側を延長することで、選手村が設営される晴海地区や、複数の競技場が作られる有明地区を結ぶものです。

このうち2014年には虎ノ門から新橋までが開通していて、晴海と有明を結ぶ部分も完成し、先月から選手村の工事用車両に限っ

ての通行が始まりました。残る新橋-晴海間は、築地市場敷地内を通

る計画です。

まず敷地内の道路を活用することで地上に暫定開通させつつ、並行してトンネルを掘り、こちらを正式道路とします。予定では昨年末に暫定道路が開通し、2020年にトンネルが供用開始というスケジュールで

した。

都心と有明地区を結ぶ公共交通としては新交通システムゆりかもめ」があります。

しかし、2020年には選手村が開設され、それ以降は住宅地として整備される晴海地区はゆりかもめは通らないので、都心-晴海-有明を結ぶ路線が必要なのです。

環状2号線は単なる新設道路以上の役割を持っています。東京都心と晴海・有明地区を直結するBRT(バス高速輸送システム)を走らせ、オリンピック・パラリンピックのメインルートに位置付けようとしているからです。

しかし、これらの工事は築地市場の移転が前提となるので、それが延期となったことで、道路建設も棚上げになっている状態です。

 つまり周辺環境は着々と準備が進んでいるのに、残るは築地市場敷地を通過する道路の建設だけになっており、このままだとオリンピックの輸送にも影響が出ます。

 

実は、豊洲新市場には目玉となる観光施設が併設される予定でして、それは「先客万来施設」と呼ばれています。

新市場の目玉とされた「千客万来施設」は2015年、運営予定だった大和ハウス喜代村(「すしざんまい」を展開)が相次ぎ撤退し、再公募で事業者は「万葉倶楽部」に決定しましたが、移転問題勃発により、2018年以降の開業予定となり、豊洲市場開場との同時開業は断念し、事実上、併設予定の商業・観光施設「千客万来」の整備計画が白紙となってしまっています。

 

それもそのはず、千客万来施設は豊洲にのみ整備されるから、効果を発揮する施設なのに、築地も食のテーマパークにするといっているのだから、大部分のコンセプトが被ってしまっています。築地と豊洲に併存することでお互いのメリットを打ち消し合ってしまうため、利益が当初ほど見込めなくなります。事業者も最初と話しが違うし、投資をペイできないと考えたため、撤退するのは当然でしょう。

 

このことにより、一度決まった事業者が撤退したことにより、東京都へ事業者から損害賠償の請求がされる可能性もあり、ここでもまた、しれっと税金が投下されることもあり得ます。

 

また、厄介なのが、このことにより、豊洲市場の建設地である江東区がゴネはじめています。それはなぜかというと、江東区豊洲新市場に一般客を受け入れる千客万来施設の開設を当初より希望しての新市場の事業計画としていました。市場機能だけでは地域にメリットがなく、賑わい施設を併設することにより、地域の活性化につながるから、市場の整備を受け入れた経緯があります。

 

それなのに、先客万来の事業計画が白紙になった今、当初と話しが違うじゃないかとなるわけです。

東京都に約束は守るようにという小学生でもわかるような要望を江東区はしており、東京都は当然のごとく、意地でも事業者を見つけてきて、千客万来を運営しなければならないでしょう。

 

東京都の小池知事は、都議選告示を前に豊洲市場への移転とともに、築地市場の土地を売却せずに再開発することを表明したわけですが、これをどのように考えたらいいのかというのは、今まで上げた点に凝縮されます。

 

これまでの投下資金などが事業の撤退などで戻ってこなくなる際の費用を考える「サンクコスト(埋没費用)論」と、豊洲と築地それぞれの科学的なリスク評価を基にすれば、「豊洲移転」が合理的と考えらるのは明白だと思います。

だから「豊洲移転」は遅ればせながらだが、決着しましたが、ここまで長引いたのは、大きな損失と言えるのではないでしょうか。

 

次回も、話題のニュースを独自の視点で分析していきます。